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★いよいよ最終回ですね!
このドラマは、他の刑事ドラマとくらべても、ものっすごい内容が濃いという印象が強かったです!
それでもって、最終回は、かなり足早に(笑)どんどん展開していき、まとめるのが辛かったです(;_;)
内容的には、結果的に、絶対に最後まで敵と思っていた小野田一課長が実は!?という感じで、予想外の展開でびっくりしました!
ちょっと内容が濃すぎたけど、おもしろかったー!!
敵が味方になったり、味方だと思っていた人間が敵だったり、それが交互に行き来したり…
面白かったーー!

小さな巨人 第10話(最終回)の内容ネタバレ

ネタバレ注意!↓↓

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香坂、留置されそして釈放

香坂(長谷川博己)は、裏帳簿の切れ端に、父の敦史(木場勝己)の名前を見て、ショックを受けている。

小野田(香川照之)は“17年前の過ちが組織の傷となり、その傷から今も血が流れている”と言って、香坂を連行させる。

連行された香坂は独房にて、小野田が言っていた“17年前の過ち”という言葉について考える。
そこに、同期の藤倉(駿河太郎)が現れ、香坂に事件当日の富永(梅沢富美男)の通話記録を知らせる。
相手は小野田であったという。

(香坂は、小野田が富永と結託して江口を殺害し、父の事件ともつながると考える)

香坂は、藤倉に一つ頼みごとをする。

その後、香坂、そして山田(岡田将生)と渡部(安田顕)も釈放される。
おどろく渡部。

香坂に頼まれた藤倉が、新聞記者の佐川(好井まさお)に、警察官3人が留置所にいれられているという情報をリークして、小野田に揺さぶりをかけた結果だった。

監察官の追求

柳沢監察官(手塚とおる)に犯人逃亡ほう助の疑いを追求される香坂、山田、渡部の3人。

香坂は、犯人の逃亡を手助けしたわけではなく冤罪であり、もし横澤が犯人なら懲戒免職でもかまわないと覚悟を告げる。
その覚悟に続く渡部と山田。

その3人の覚悟に触れた柳沢は語る。

“江口が亡くなる前、江口と小野田が話しているところを目撃した。
江口は裏帳簿の破れたページのコピーを小野田に見せるも、“言われたことだけをやれ”という小野田。
しかし江口は、これを見過ごすのは警察官じゃないと小野田に迫り退出した。
そしてその夜、江口は亡くなった。
その時、江口が話していたのは、17年前に山田局長(高橋英樹)の運転担当が亡くなった事件だと推測する。
運転担当の松山は自殺で処理されているが、詳しい資料はきれいに消されている。
その当時の捜査担当者は、小野田だ。
小野田は怪物、だれかがその正体をつきとめなくてはいけない。
横澤が送検されるまでの36時間だけ時間をやろう。
横澤が送検されれば、その逃亡ほう助した君たちも懲戒免職させてもらう。
私は警察の警察、正しいことだけがしりたい”

柳沢の配慮に感謝する香坂たち3人。

富永と小野田

富永は小野田に電話で、金崎(和田アキ子)が捜査2課から解放されたことを話す。

小野田は、裏帳簿の原本が揃わなければ捜査二課もあれ以上手が出せないから、横澤送検までしっかり保管しておくと富永に告げる。

香坂 捜査再開

富永、小野田、金崎の3人のつながりが裏帳簿にあるからもう一度、裏帳簿をみたいという香坂。
山田は、それについて渡部が一課の保管室に確認に言っていると報告。

しかしそこに須藤(神野三鈴)が現れ、香坂たちの捜査を牽制してくる。

須藤は三島に、早明学園の保護者説明会の準備をせよ命じ、そして、香坂と山田に“ここでおとなしくせよ”と釘を刺して退出。

香坂の電話に渡部から連絡。裏帳簿の画像を送ってくれた。
しかしその画像には、1ページ目の破れた箇所がない。

小野田が原本をすり替えた可能性があるという香坂と山田。

17年前について母に尋ねる香坂

敦史がいる施設にて香坂は、母の真由美(三田佳子)に、17年前に敦史が1000万円というお金が入ったことがなかったかを確認する。

そんなお金はなかった、あったらすぐに気づくという真由美。
しかし、以前に父の敦史が、お金の件で一度だけ怒ったことがあることを思い出す。
知らないと所で色々なことが、すべて部下のせいにされていると敦史が怒り、辞表まで書いたという。
しかし結局辞表は出さずに、今も家の引き出しにはいっているから今度見せるという。

香坂は、どうしてやめなかったのかを問う。
真由美は、富永が家にきて説得しにきて、警察はやめなかったという話をする。

敦史が警察をやめなかったのは、息子である香坂のためであったのだろうという真由美。
やめればすでに警察官になっていた香坂の出世に響くだろうと。
“辞める覚悟があるなら、やめない覚悟だってあるでしょ、お父さんはあなたの未来を守りたかったんじゃない”

その話を聞いた香坂は、父は、本当は金を受け取らなかったのかもしれないと思う。

しかし、だとしたらあの切れ端に書かれた父の名前は一体なんなのか?

捜査二課長から語られる真実の一端

捜査二課長の松岡(高橋光臣)と会う香坂と山田。
17年前の事件について、捜査2課でも資料が少し残っており、贈収賄事件として申し送り事項になっているという。
ただし当時は、証拠となる裏帳簿が見つけられず誰も逮捕できなかったと語る松岡。

松岡は先日見た裏帳簿のコピーと二課の捜査を合わせた見立てを語る。
“17年前に亡くなった松山は、金崎(当時は山田)から賄賂を受け取っていたと言われている、
しかし真相は、金崎から金を受け取っていたのは松山の上司である山田勲であった。
その癒着関係を当時の捜査二課は探っていた。”

そこからは山田が語る。
“父の勲は、癒着がバレそうになった時、すべての責任を松山に押しつけた。
そして松山は、汚名を着せられたまま亡くなった”

松岡はこれについて“よくある政治家の手口だ”と語る。

山田は続ける。
“これについては、捜査一課でも申し送り事項になっている、あの金庫だ。
しかし、中身を知る方法がない、捜査一課長になるしかない。”

しかし香坂は“いや、方法はある”と告げる。

捜査一課長室の金庫の中身を三笠に問う

香坂と山田は、三笠(春風亭昇太)に、捜査一課長室の金庫の中身について問う。

しかし三笠は2人を嘲りながら“私が教えると思うか”と突っ返そうとする。

そこで香坂は、一流の企業の内定をとったという三笠の息子の話を出して、“父のあなたが行った悪事をもちろんご存知ないですよね?”と脅しにかかる。

“私を脅すつもりか”と言う三笠。

香坂は“脅すどころじゃすまないことをあなたはやったんだ!その罪は償ってもらう、覚悟してください”と三笠を怒鳴りつける。

三笠は香坂に“小野田に似てきたな”と言いながら話し始める。
“そんな資料など金庫にはなく、裏帳簿の件もはじめて聞いた。
富永もお前の親父さんも、実際に金は受け取らなかっただろう、名義貸しっていうやつだ。よくある話だ”

豊洲署 刑事課 

17年前の事件について話し合う香坂たち。
藤倉も加わっている。

裏帳簿の切れ端について、一課長の申し送り事項ではなかったということか、と言う藤倉。
当時の一課長は富永であり、たしかに自分の汚点となる証拠をわざわざ残すことはないだろうと言う山田。

香坂は、だとしたら、どうして金庫の中にあの切れ端が入っていたのか疑問に思う。

横澤送検まで12時間に迫っている。
山田は、このまま何も怒らなかければ、香坂さんも自分も警察をやめることになるとつぶやく。

香坂は語る。
“小さい頃、警察官の父を見て誇りにおもっていた。自分もいつか正義を守るための仕事がしたいと単純に憧れていた。
しかし、警察官になってからは、誰かを守るつもりが、自分をまもるのに必死になってしまっていたかもしれない。”

香坂の話に同感する山田は語る。
“ここまで来たら私たちは運命共同体。あなたがやめるときは、僕もやめるときだ、言ってみれば僕と香坂さんの絆ですよ”

香坂の電話に着信が入る。

父の辞表を読む

美沙(市川実日子)は香坂に、昔、敦史が出せなかったという辞表を届けにくる。

美沙は“自分も書くつもりだった?と香坂に言い、“お仕事頑張って”と励まし帰宅する。
中身を読む香坂。

“私は警察官として任務遂行に努力してきたが、今回の事件で、この組織における自らの立場に疑問を持ち、これ以上の任務遂行が困難であると判断した。
また山田が自主を決めてくれたにも関わらず、自分一人が立場を守るわけにはいかない。これは山田との絆だ”

香坂は“自首”“山田との絆”という言葉について考えはじめる…

再び富永につめよる香坂

富永を訪れる香坂。

“お前と話している時間はない”怒る富永。

香坂は、父の敦史が書いた辞表を富永に見せ、そこに書いてある“山田が自首を決意した”“山田との絆”という言葉の意味を問う。

白を切る富永。

さらに香坂は、裏帳簿の切れ端の話をする。

“切れ端とは何のことだ”驚く富永。
香坂は、裏帳簿の破れた切れ端を見たと告げる。
富永は驚き、“どこで見た?なんでお前が知っているんだ?と言うも、“お前と話している時間はない、帰れ!”と香坂を追い返す。

小野田に問う香坂

小野田は富永に会いに行った香坂を叱りつける。

香坂は小野田に問う
“富永に裏帳簿の切れ端のことを話したら、相当驚かれていたがどういうことでしょうか?”

小野田は、そんなことはどうでもいい、もうすぐ横澤が犯人として送検されるんだと叱る。

しかし香坂は、横澤が証言した、“富永が電話で誰かに偽装工作の報告をしていた”という話を出し、その当時の富永との通話に心当たりがないかと小野田を問い詰める。

小野田は、実際に富永と電話はしたが、横澤の言う偽装工作についてはまったく知らないという。

香坂は、それをどう証明するのかと小野田を問う。

小野田は、この捜査一課長である自分こそ証人だといい
“それでも私を疑うのなら捜査令状をもってこい!証拠をもってこい!今日は所轄でおとなしくしていろ”と怒り香坂を退出させようとする。

小野田はデスクに座りペンを走らせる。

香坂は、小野田が早明学園のペンをもっていることに気づき、さらにキャップがついていないことに気づき指摘する。

小野田は“使うときには普通に外すだろ!”と怒った次の瞬間、
横澤の送検まで7時間、それはお前の死刑宣告だ、のこり少ない警察官人生、それまでのんびり過ごせと皮肉たっぷりに笑顔で告げる。

香坂は、最後の1秒まで戦うと宣言して退出。

何かにひっかかる香坂…

豊洲署 刑事課 江口の捜査資料の紛失 内通者の影

刑事課ではでは江口の捜査資料のコピーがなくなり騒然としている。

誰かが故意に盗んだだろいうという山田。

香坂は、我々の中に内通者がいるはずだが、かまわん、それを利用すると言う。

香坂は、横澤を無実にする方法が思いついたといい語る。
“横澤は、当日、何かを蹴ったと話していた、しかし鑑識ではそれらしきものが発見されなかった”

刑事の一人は、それは横澤の証言が嘘だったのではと問う。

しかし香坂は、それがあれば、横澤の証言が正しかったということになると語る。

間もなく早明学園の屋上で、横澤を連れての現場検証があるという香坂。
敵にこちらの動きを知られてもかまわないから、渡部に頼んで横澤から確認をとるという。

横澤の記憶

横澤をともなった現場にて、渡部は、ペンのキャップをわざと落とし、横澤に“この音に聞き覚えがあるか、”と問う。

渡部は現場の刑事に制止されながらも、横澤にペンのキャップを見せて“見覚えがあるか”と問う。

―――

電話で渡部からの報告をうける香坂。
やはり横澤は、早明学園のペンのキャップに見聞き覚えがあるという報告だった。

香坂は、犯人がキャップをその現場に落としていたとしたら、横澤の無実を証明するだけでなく、キャップに持ち主の指紋が残っていれば、真犯人をしめす最大の証拠になると語る。

香坂は排水口にキャップが落ちたかもしれないと語り、早明学園の設計図を見ていく。

まもなく学園内で保護者説明会が始まるから、人並みにまぎれて捜索するチャンスだと語る香坂。

(小野田も同じく、渡部が横澤にペンのキャップを見せていたという報告をうけ、学園の設計図を持ってこさせて、なにやら調べていく)

香坂は、部下を引き連れ学園に向かう。

小野田も同じく、至急、学園に向かう。

ペンのキャップを探す小野田を問い詰める香坂

学園にて捜査を開始する香坂。

小野田も一人、排水口を調べ、中からペンのキャップを取り出す。

“そこで何をしているんですか”と、その現場を抑える香坂と山田。

香坂は小野田に問う。
“あなたは我々がキャップに目を着けたことを知って私と同じことを考えたはず。
あの夜、犯人は深くにもペンのキャップを落としていた。そのキャップは横澤の足にあたり、排水口の中へ入っていった。”

そして香坂は、小野田がとったキャップは偽物であり、本物は鑑識にまわしていると語る。

横澤の証言は本当であったことが証明され、さらに小野田がキャップをとりに来た事自体、犯人の証明になっていると告げる。

しかし小野田は“私はこの証拠品を犯人の手から守ってやろうと思ったんだよ。犯人をつきとめてやろうと…”

しかし香坂は小野田の話を遮り“犯人はあなただ、あなたは証拠品を隠蔽するためにここに来た”と断定して、
“鑑識結果がでるまで、お話をお伺いできますか”ととげとげしく小野田に問う。

一課長室 香坂、小野田を問い詰めるも…

部屋を捜索しようとする香坂と山田。

小野田は、自らすり替えた本物の裏帳簿を香坂に出す。

香坂は語る。
“今回の事件は17年前の事件にかかわりがあり、それはあなたが江口を殺した動機になった。
その証人の一人が柳沢監察官であり、あなたが生前の江口と話していた所を目撃している。
江口は17年前に何があったのか、その核心に気づいてしまった。
それはあなたにとって、絶対に触れられてはならないものだった。
もう一人、それに触れようとしたのが私の父である敦史だった”

ここで香坂は、父の敦史が17年前に書いた辞表を小野田に見せながら語る。
“この辞表に出てくる山田というのは、金崎の旧姓であり、早明学園の理事長である山田玲子のことだ。”

さらに山田が話を引き継ぐ。
“この事件は私の父、勲が大きく関わっていた。
当時刑事局長だった父の勲は、政界進出のための政治資金をもらう代わりに、学園設立の便宜を図った。
だがそれがバレそうになると、その罪を運転手の松山にすべてをおしつけた。
罪を押しつけられた松山は、自分の無実を証明したかったが、それを証明する唯一の証拠が金崎のもっている裏帳簿だった。”

香坂が話を継ぐ。
“松山はなんらかの方法で裏帳簿を手に入れた。しかしそれに気づいた金崎と押し問答になり、殺されてしまった。
金崎は裏帳簿を奪い返したが、切れ端は松山の手元に残ってしまった。
その切れ端が、金崎の犯行を証明する証拠となった。
捜査にあたっていた父の敦史は、見覚えのない切れ端に自分の名前があるのをみつけ驚いた。
そして捜査を進めていく内に、山田局長と金崎の癒着関係に気づいた。
しかし、山田局長に、すべて隠蔽せよと命じられてしまった。
父の敦史は悔しい思いを噛み締めながら、組織に従おうとした。
しかしその時、金崎に“自首をする”という相談を受けてしまった。
父は、組織に従うか、金崎の自首しようとする思いを酌むか、悩んだはずだ。
そして父は、上司に逆らい警察官をやめるという結論を出した。
父と金崎の約束の証が、この辞表であり、金崎・旧姓山田と父との絆だった。

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しかし、その絆がすんでのところで、富永に断ち切られた。
父から証拠の切れ端を受け取った富永は、それを隠蔽することを選んだ。
そして金崎に、殺意がなかったことを盾に、自首しなければ学園の認可がもらえ、皆が幸せになれると金崎を丸め込んだ。
さらに富永は、警察官になったばかりの私の将来を人質に、父を脅して辞職をやめさせた。

その後、富永は、証拠のもみ消しをあなた、小野田一課長に命じた。

あなたは富永から、金崎の犯行の証拠となる裏帳簿の切れ端を処分するように言われ渡された。
そして組織に逆らうことができず、私の父を見殺しにした。

富永が私の父の元を訪れていたのは、隠蔽した過去が掘り起こされてしまわないか確認するためだったのだ。

しかし、その秘密は、江口が17年前の事件に気づいてしまったところから掘り起こされた。

江口は、あなたの説得を無視し、さらに真相をつきとめた。
17年間、あなたが必死に守り続けてきたものが表にでれば、警察組織は崩壊することになるから、
それを止めるために、あなたが江口を殺害した。
これが事件の真相だ!

小野田は“よくもそんなことが言えたな!お前は捜査一課長たる私を愚弄した、絶対に許されないことを口にしたんだ!”

しかし香坂は言い返す。
“絶対に許されないことをしたのはあなたでしょう!あなたは常日頃から、殺人だけは絶対に見逃すことができないと言っていたが、言っていたあなた自身が殺人を犯した!
これは絶対に裁かれなければならない!江口を殺したことをお認めになりますね!”

小野田は“絶対に認めない!”と叫び語る。
“お前は何もわかっていない。ペンのキャップを取りに行ったことだけは認めてやる。
だがそれは、私が犯人だからではない!いち警察官だからだ!500%の確信をもって言ってやる!私は犯人ではない!”

そして小野田は“証拠はこれだ”と言い、デスクの中にあった、ペンのキャップを香坂に示す。
“キャップはこの中にありました!まさに今、お前たちを殺してやりたい気分だ!だがもうすぐ、お前たちは警察官でなくなる!私に楯突いたことをせいぜい後悔するがいい!”

キャップの持ち主 内通者の須藤を問い詰める真犯人の正体を暴く

香坂と山田は、一課長室を退出後、三島から、キャップには、雨水でながされてしまったことにより持ち主の指紋がみつからなかったことの報告を受ける。
残念だったという香坂。

しかし三島は、一つ気になったことがあるという。
学園内を捜索していたとき、配管の出口を必死に調べていた金崎の姿を目撃したという。

以前、金崎を訪ねた時、金崎のペンにもキャップがなかったことを思い出す香坂。
しかしどうして金崎は、自分たちがキャップを探していたことを知っていたのか疑問を持つ。

香坂は“内通者にきいてみるか”とうそぶく。

その後香坂たちは、豊洲署の刑事課に行き、そこでこそこそと誰かに電話をしていた須藤課長を問い詰める。

内通者は、刑事課長の須藤だった。

香坂は須藤に、無くなったはずの江口の捜査資料がここにあることについて、そして今電話をかけた人物を問い詰める。

三島は、須藤から携帯を丁重に取り上げ香坂に渡す。

香坂は、今須藤が電話していた相手に電話をかけてみる。
電話先の声は、富永だった。

富永は一方的に“いそがしい、それとこちらの番号にはかけるな”と言って電話を切る。

香坂は、この番号が以前に藤倉が教えてくれた富永の電話番号と違うことから、
富永は携帯を2台もっていた可能性があり、事件当日、富永が使ったのは、もう一台かもしれないと推測する。

香坂は、こちらの番号の通話履歴を調べるよう部下に指示をする。

さらに香坂は、須藤に対して知っていることをすべて話すように問い詰め、何も言わなければ柳沢に報告すると脅す。

その後香坂は、富永のもう一台の番号の通話記録の報告を受ける。

電話を切る香坂。

“これですべてがつながった”

香坂 富永、金崎を訪れ事件の真相を暴く

早明学園の理事長室で富永は、金崎を“心配いらない”と安心させる。

しかしそこに、香坂と山田が現れ、事件のことをお伺いにくる。

香坂と山田は富永に語る。
“あなたは事件当日、誰かに電話をかけていた、その相手がわかった。
あなたは登録不要なプリペイド携帯を持っている。
あの夜、あなたが電話していた相手は金崎理事長だった。
横沢はあの夜、現場で何かを蹴ったという証言をしている。”

その時、ペンを隠そうとする金崎に山田は“そのペンも大事な証拠品、隠されては困る”と釘を刺す。

さらに香坂は、金崎のペンのキャップは我々が見つけ出していると告げ、
金崎が先程、ペンのキャップを必死に探していたことを指摘し、金崎が犯行現場でキャップを落としたのだと断定して語る。
“殺害の動機は、17年前の事件。
その件で江口はあなたに揺さぶりをかけてきた。
核心に気づいた江口をこのままにしておけないと殺意が芽生え、そしてあの夜、江口を殺害。
電話で事の顛末をしった富永は、その後、偽装工作して横沢の犯行に見せかけ、それを理事長に報告した。”

山田が話を継ぐ。
“金崎理事長は、17年前、自分の教育理念をもとにした新しい学校の設立を実現したいと思っていた。
しかし実績がなく誰にも相手にされず、何年も設立の認可が降りなかった。
だから私の父に政治資金という賄賂を送り、なんとか取り入ろうとした。
そしてあなたは裏帳簿を奪いあった末に、父の運転担当の松山を殺害してしまった!”

香坂が継ぐ。
“金崎理事長、あなたは一時、自首を考えたはず。
しかしそれを妨害したのは、富永専務だ。
あなたは国民の安全を守るべき捜査一課長という立場だったにもかかわらず、組織を守ろうとした。
本当の裏切り者はあなただ!”

富永は冷静に“いいたいことはそれだけか?それはただの仮説で証拠などない、残念だったな”と言う。

しかし香坂は“まだ終わってはいない。私はあなたと違う、最後まで警察官としての正義を貫いて生きてみせます、必ず証拠を持ってきます”と言い切って退出する。

豊洲署 香坂を信じてまつ刑事課の部下たち

横沢の送検まで45分まで迫った。
三島は“なにか私たちにできることはないか”と皆に問う。

渡部は“待つしかない、あとはあの人を信じろ”と告げる。

辞表を準備する香坂

香坂は、自宅にて辞表の準備をする。

妻の美沙も“決めたんだね”と声をかける。

“すまない”と謝る香坂。

美沙は“別に謝ることじゃない。大丈夫。堂々と戦ってきて”と覚悟を決め、香坂を励ます。

香坂と山田の絆

香坂は一人、小野田に辞表を提出する覚悟で向かう。

途中、山田が待ち伏せており、香坂と同じく辞表を胸ポケットから出し語る。
“そもそも17年前の事件は私の父のせいで起きたこと、私が肩をつける”。

しかし香坂は、山田の辞表をひっつかみ破りながら“その思いだけで十分だ、今回は私の顔をたてて私に任せてくれ”と告げて、一人、一課長の元へ向かう。

山田は香坂の背中に向かって語る。
“あなたはそうやって、いつも背負わないでいいものを背負ってきた。
僕らは組織の中ではとても小さな存在、しかしあまただけは違う、たくさんのものを背負ってきた貴方の背中は大きく見えた、
あなたは組織という巨大な怪物に立ち向かえる小さな巨人なんだ”

香坂は立ち止まり、山田の言葉を黙って受けとり、再び一課長の元へ向かう。

小野田の真意

一課長室に入った香坂は、一課長に一礼して歩み寄る。
そして“非礼はお詫びし、この責任は取ります”と辞表願を出す。

小野田は、まもなく横沢が送検され、こんなものを出さなくてもお前は警察官でなくなるんだと告げる。

しかし香坂は、横沢は犯人ではない、それは一課長もおわかりのはずであるといい、小野田に尋ねる。
“一課長が先程キャップを探しに向かったのは、そのキャップを富永たちよりも先に奪われないようにするため、そしてご自分の手で金崎と富永を逮捕しようとされていたからですよね?
ではなぜ金崎を逮捕しないのでしょうか?
金崎の動機が17年前の事件であることはもはや明確、あとはそれを立証すればいいだけ”

小野田は、そんな証拠がないと告げる。

香坂の追求は続く。
“証拠だったらあの切れ端があります。あの切れ端には金崎の血液が付着していたのではないですか?
その血液が付着していた切れ端が、なくなった松山の手元にあった、
つまり松山が殺害された時、金崎がその場にいたことを示す、証拠なんです、DNA鑑定をすれば今でもそれが分かるはずです、
金崎と富永を逮捕するためにあの切れ端が必要なんです、今すぐ金庫を開けてください!”

しかし小野田は反駁する。
“簡単にいうな。二人をあげるということは警察組織が犯した過去の罪が明らかになって組織が崩壊する、この国の治安が崩壊するということだ。
そんなことがお前にできるのか!”

香坂も反論する。
“では組織のために、殺人を見逃すということなんですか!
一つだけわからないことがあった、
一課長はなぜ、あの切れ端を持っているのか?
富永は処分されたものと思っていた。
あなたの気持ちになって考えてみた。
たしかに組織の一員である以上上司の命令は絶対、しかし警察官としてのあなたの正義があの証拠を捨てることを許さなかったのではないですか?
だからあなたはあの切れ端をずっと持ち続けていた!”

さらに香坂は、17年前に父の敦史が書いた辞表を小野田の前に出して語る。
“もしあの時、父がこれを出していれば、組織が受け取ってくれていれば、17年前に事件は解決していたかもしれない。
この事件は、私と父の申し送り事項であり、それを受け取ったからには解決しなければならない!”

そして香坂は、小野田に土下座して“お願い致します、あの証拠をだしてください”と懇願する。

ここにきて小野田はようやく本音を吐き出していく。
“すべてはお前の父親が逃げたからだ!あの男は、すべてを出すといっておきながら、最後の最後で放り投げた!
あとに残った私一人に、すべてが押しつけられた!どれほどの屈辱がお前にわかるか!!
警察官であるこの私が殺人の証拠を捨てろといわれたんだぞ!
従うしかなかった、警察という組織をまもるためだ。
お前やお前の父親が言う青臭い正義ではなにも守れない、そんなものは本当の正義ではない!
すべてを犠牲にして使命と心中する覚悟が必要なのだ! 
覚悟無き者に正義を語る資格はない!!”

次の瞬間、香坂は“ありがとうございます、やっとあなたの口から真実を聞き出すことができた”と言い、顔をあげる。

香坂は胸ポケットからボイスレコーダーを取り出し、今の会話を録音したことを小野田に示しながら語る。
“私はあなたを倒す方法をずっと考えてきた。
今回の事件で、あなたが何かを隠していることはわかっていた。
それが何かわかるまでずっと負け続けてもかまわない、
最後に勝てればいい、そしてようやくあなたは、過去の隠蔽を認め、真実を口にしてくれた。
敵は味方のふりをする、あなたは私を信じすぎた!
事件を解決するためならどんな手も使う、これはあなたから教えてもらったことです”

そしてボイスレコーダーを小野田に差し出しながら語る
“これはあなたにお渡しします。
これで立場は対等だ。、
ここからは上司も部下も関係ない、同じ警察として話がしたい、
本当はあなたもこの事件を解決したいと思っていたはず、
あの切れ端がその思いの証です。
17年前のあの事件は、警察が組織ぐるみで罪を犯し、組織が腐敗し今にいたったすべての始まり、
あなたはその悪しき絆を、自分の代で断ち切りたかったのでは?
私も思いは同じ。
組織の負の遺産を次の世代に残してはならない!
未来のために、我々の第で、今、解決しなければならない!”

小野田は感情をかき乱しながら言い返す。
“お前は捜査一課長でないからそんなことが言えるのだ!現職の一課長の重みがお前にわかるのか!
私は今でも聞こえる、歴代の捜査一課長たちの無念の声が!
それを私は背負ってるんだよ!”

香坂も感情を高ぶらせながら叫ぶ。
“それで何もできないのでしたら、捜査一課長とはいったい何なんですか!
あなたは17年前に、上司から、あの切れ端を捨てろと言われた、
それでもあなたは捜査一課長になってからもずっと持ち続けていたこと、
それこそがあなたの正義だ!
私は捜査一課長とは、正義そのものだと信じています!
その捜査一課長の正義を見せてください!!”

小野田は唇を噛み締めて震わせながら黙り込む。

香坂は、小野田から少し離れ、そして告げる。
“私のこの目を見てください。この目にあなたの正義を見せてください!”

小野田は呼吸を荒げながら香坂に近づき、その目をしばらく見つめる。
そして意を決して、金庫を開け、なかから裏帳簿の切れ端を取り出し、唇を震わせ涙ぐみながら静かに語る。
“よく見ろ。これが警視庁捜査一課長・小野田義信の正義だ”

そして切れ端を香坂に渡しながら語る。
“渡しはこの17年間、一度も言えなかったことを心の底から言ってやる。
殺人犯は、逮捕されなければならない!”

香坂は“はっ!”と返事をし、礼をしながら丁重に切れ端を受取る。
そして神々しく部屋を退出する。

金崎と富永の逮捕 皆のその後

香坂たちは早明学園の理事長室に入り、金崎と富永を令状をもって殺人容疑で正式に逮捕する。

横澤は釈放され、家族の元へと帰った。

警察は横沢への非礼を謝るとともに、17年前の再調査を約束。

だがその約束は上辺だけのものであった。

金崎は江口殺害はみとめたものの、17年前の事件については一切語らず。

富永は警察の上層部と示し合わせ、江口殺害の罪を免れた。

山田勲は体調不良を理由に副長官をおりた。

藤倉と渡部は処遇が見直され、元の職場への復帰が認められた。
しかし渡部は捜査一課への復帰ではなく、所轄への配属を希望。

小野田は捜査一課長を混乱を抑えるために、任期の続投を打診されたがそれを固辞し、捜査一課長の座を後任に明け渡した。

そして、小野田は、豊洲署の新署長に就任する。
“私が来たからには徹底的に鍛え直して、日本一の所轄にしてやる。打倒、警視庁捜査一課だ”

柳沢監察官は小野田について三島に語る。
“小野田は一度は退職すら口にした、それを引き止める上層部に彼は交換条件を出した。
自分が捜査一課を去るかわりに、ある男を山田と一緒に一課に戻せと言った、
でなければ、二度も所轄に横滑り異動をした男が出世の道に戻ることなどありえない。
それにしても、なぜ上層部はそんな無茶な条件を飲んだのか。
本当の怪物はあの男のほうだったかもしれない”

捜査一課に戻る香坂

香坂は山田とともに、捜査一課に戻る。

山田“ゆっくりしている暇はありません、さっそく捜査開始ですよ”
香坂“ああ。いくぞ!”

裏帳簿の切れ端を胸ポケットから出し確認し、戻しながら、心の中でつぶやく。
“我々警察官は、法のもとに国民の安全を守る。
しかしその警察官を守る法律は存在しない。
己を守るためには、戦うしかない”

小さな巨人 第10話(最終回) 終わり

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