小さな巨人 第9話の内容ネタバレ
ネタバレ注意!↓↓
もくじ
一課長室
小野田(香川照之)は、富永(梅沢富美男)に、横澤祐一(井上芳雄)を逃してしまったことを電話で報告。
富永は、山田(岡田将生)が手引をしていることも合わせて激怒。すぐに見つけ出せと小野田に迫る
藤倉(駿河太郎)が一課長室に入ってくる。
小野田は、“お前が横澤を所轄に連行した結果がこれだ!二度と顔を見せるな!”と激怒。
続いて運転手の渡部(安田顕)に、所轄には一切捜査はさせないと怒りながら指示をする。
豊洲署 刑事課
捜査一課の刑事達が、豊洲署刑事課の資料を根こそぎ運び出していく。
横澤祐一を連れ去った山田とグルだと思ってのことだという。
課長の須藤(神野三鈴)は、山田の捜査許可を求める香坂(長谷川博己)に“なにもするな!”と激怒し、自宅謹慎と携帯を置いていくことを命じる。
香坂の自宅
帰宅する香坂。
そこには山田と横澤祐一がいた。
のんきに構える妻の美沙(市川実日子)に“席を外してくれ”と告げる香坂。
美沙は、外へ買い物へ出かける。
香坂は山田に掴みかかる。
横澤は、山田が自分を助けてくれたという。
山田は、香坂に謝りつつも、通報するのは話を聞いてからにしてくれと頼む。
横澤祐一の話
横澤は、江口(ユースケ・サンタマリア)が殺された夜、なにがあったのかを香坂に語りだす。
“あの日、江口と会う約束をしていたのだが、待ち合わせ場所に行ったときには、すでに江口が倒れ死んでいた。
足音が近づいたので、急いで陰に隠れると、白手袋をはめた富永が現れ、倒れている江口の側にピンセットでつまんだなにかを置いた。
その後、富永は電話先の人物に対して、「横澤の毛髪をしこんだから、すべて横澤に背負ってもらえばいい」という発言をしたのを聞いた。
富永の電話先の人物は誰かわからない。でも富永は警察OBだから自分の言っていることは信じてもらえないと思い、警察にも行けなかった。
それで、かねてより江口から言われていた山田を頼った”
山田は、横澤を所轄で取り調べても、結局は富永とつながっている一課長の手に渡り真実が秘される可能性があること、
そして、裏帳簿の原本は横澤が倉庫に隠していることを話し、倉庫の鍵を見せる。
山田は、香坂に前もって報告しなかったことを詫び、しかし横澤を逃したのは覚悟があってのことだと告げる。
香坂は、殺人の容疑者をかくまうつもりはないといいつつ、しかし、富永をもう一度調べる必要があること、そして、臭いを発する横澤に風呂に入るよう告げる。
山田と香坂の会話
横澤が風呂に入っている間、山田は香坂に裏帳簿のコピーを見せながら、富永が裏帳簿を取り返そうとしている理由を話す。
裏帳簿には、山田の父であり内閣官房副長官の山田勲(高橋英樹)が早明学園から賄賂を送られた証拠があり、17年前から勲と富永が早明学園とつながっていた証拠があった。
そして、破られた箇所があり、そこになにが書かれていたかがわかれば、17年前になにがあったかがわかると告げる。
そして山田は、“そのことを知っているであろう、香坂の父に話を聞けないか?”と尋ねる。
その後、
一課長運転手の渡部(安田顕)は、香坂が父のいる養護施設に行くことを許可したことを小野田に報告する。
小野田は、そのまま香坂を追えと命令する。
養護施設 香坂の父
香坂と山田は養護施設に父の敦史(木場勝己)を訪ねる。
山田は敦史に、富永と小野田の写真を見せるも、反応せずだまったままの敦史。
香坂は、敦史が警察を辞めたあたりから症状がひどくなり、今となっては香坂が息子であるということも分かっていないと説明する。
山田は、裏帳簿の破れたページのコピーを敦史に見せる。
その時、敦史は突然“におうな”と言い出す。
香坂はカーテンを開けて外を確認すると、捜査一課の刑事たちが来ていることに気づく。
捜査一課の乱入
渡部と刑事数名が、部屋に入ってきて、指示があったと言い、部屋を確認し始める。
ベランダに隠れている山田。
渡部はベランダを確認しようとする。
その時、敦史が口を開く。
“捜査令状があるのか?ないのであれば出ていきたまえ。ここは捜査一課長たる私の部屋だ。捜査一課長とは正義そのもの、その私に逆らうのか!”
渡部は“大変失礼いたしました”と言い、部屋を出て行く。
敦史のつぶやき
捜査一課が出ていったので、ベランダから中に入る山田。
香坂は、敦史が今も捜査一課長になることを夢見ており、しかしひとつのミスで所轄に飛ばされたこと、その時、上司の富永は敦史を守らなかったこと、そして今の自分もまったく同じ状況だと山田に語る。
その時敦史は、山田がもっていた裏帳簿の破れたページのコピーを指差し、“山田さんとの絆だ”とつぶやき始める。
山田は“父との絆とはどういうことですか!”と畳み掛けるように問う。
しかし、再び黙ってしまう敦史。
父との関係を語る山田
敦史が寝に入った後、山田は、父との関係について、香坂に語りだす。
“父は、私の存在をないもののように扱っていたが、自分は刑事局長であった父を誇りに思い、父のようになろうと思っていた。
しかし、それが崩れ去った。
ある時、自分を認めてくれていた唯一の人物である、父の運転担当だった松山という人が不審な死をとげたのだが、
捜査をしてくれると思っていた父が、部下に対して、この事件の隠蔽を指示しているのを見聞きしてしまった。
政界にでるため汚いことに手を染めていた父は、そのことを知っている松山がなにも語らず死んでくれていた方が都合がよかったのだ。
父に対する誇りは消え、残ったは怒りだけ。
それ以降、父の悪事を暴くために生きてきた。
今回の事件は、17年前の事件と関わりがあり、未解決の当時の事件の謎を暴けるチャンスだ”
山田 父との面会
山田は、実家を訪れ、父である勲と面会する。
勲は山田に対して“お前が犯罪者になるとはな”と語りかける。
山田は、“あなたに言われたくない”と前置きし、裏帳簿の破れたページのコピーを勲に見せながら語る。
勲が17年前、早明学園から賄賂をもらっていたことと、早明学園が新プロジェクトのため、国有地を買収した時期と重なっていること、
そのことから勲が、早明学園の認可が下りるよう、国に便宜を図ったのだと追求する。
山田はさらに、破れたページになにが書かれていたのか、それは17年前に勲の運転手だった松山が死んだことと関わりがあるのかを問う。
黙して語らない勲。
山田は涙ぐみながら“あなたは自分を支えてくれた部下の命よりも、自分の利益を優先した!犯罪者はあなたのほうだ!”と怒り、なにも言わなければ、裏帳簿を公表すると叫ぶ。
勲は山田に“こんなことがしたくて警察官になったのか?やりたければ勝手にやれ”と言い捨てる。
その時、ドアがノックされ、小野田が入室してくる。
驚く山田。
勲は、小野田は山田がここに来ることを予想していたと説明する。
小野田は、山田を問い詰める。
“副長官が受け取ったのはただの政治献金であり、便宜を図ったという証拠がなければ罪にならない、
仮に便宜を図っていたとしても、早明学園の卒業生が官僚となりこの国のために働いているのだから、副長官は国のためにお手伝いをされたのだ。お前の青臭い自己満足の正義と副長官がやってこられたこと、どちらが国のためになっているのだ”
勲は小野田に“この男を連行してくれ。不法侵入だ”と命令する。
山田は“父さん…”と言うも、勲は“誰のことだ?連れて行け!”と恫喝する。
山田が連行されたことを知る香坂
自宅にいた香坂は、三島(芳根京子)の電話で、山田が連行され、これから取り調べてを受けることを知らされる。
三島は香坂に、“私たち所轄にできることはありませんか?”と問う。
香坂は“私もお前たちも、今は待機することが仕事だ”と言い、電話を切る。
山田は捜査一課の刑事から、横澤祐一を匿った場所はどこだと、厳しい取り調べてを受ける。
香坂は、山田から受け取った、裏帳簿の原本が隠された鍵を見つめながら、自分がどうするべきか考えはじめる。
小野田の秘密
香坂は、柳沢監察官(手塚とおる)から、山田の行動をどこまで把握していたのかの質問をうける。
黙秘する香坂に柳沢は“君は、小野田のように所轄から捜査一課に戻れると思っているのか?小野田は特例中の特例だ”と告げ、
さらに、特別に教えてやると、小野田が出世街道に舞い戻った経緯を簡単に説明する。
小野田は内部告発によって、上司に罪をかぶせ所轄に追いやり、みずからも所轄へとばされた、しかしあらゆる手をつかって捜査一課長にのし上がった怪物だと。
香坂は、小野田が内部告発をした相手について柳沢に問う。
柳沢は“香坂敦史、君の父上だ”と告げる。
豊洲署 反撃の手がかりを探す香坂
香坂は心の中で“父を裏切った小野田を絶対に許さない!”とつぶやく。
香坂の前に、三島をはじめとする刑事たちが現れ、江口殺害事件の捜査資料を渡してくる。
捜査一課に取られる前にコピーをとったものだという。
香坂は部下の刑事たちに“組織に歯向かうことになるが、それでも協力してくれるか?と問う。
“はい!”と答える部下たち。
香坂は部下たちに、事件の夜、富永は現場にいて横澤祐一に罪を着せようとしたのだが、小野田一課長に徹底的に守られており任意で引っ張ることができないため、なにか切り崩す方法はないかを問う。
三島は、当時、アリバイがとれない人物で金崎理事長(和田アキ子)の名前をあげる。
香坂は、捜査資料から、金崎の旧姓が“山田”ということを知る。
香坂は、父の敦史がつぶやいていた“山田さんとの絆だ”という言葉の中の“山田”という人物が、山田勲でないとしたらと、疑問を持つ。
小野田、富永、金崎の密談
富永と小野田は、山田が裏帳簿のありかを吐けばすべてが終わると話している。
金崎は、我々のつきあいも17年になり、長いですねーと感慨深げに言い、今後ともよろしくお願いしますと2人に言う。
一瞬間を置いた後“ええ”と答える富永…返事をしない小野田…
刑事課 金崎への疑問について話す
三島は、金崎が事件当日、ずっと理事長室にいて警察がきてもずっと気づかなかったそうだという話をする。
その話に疑問をもつ香坂。そして建物の見取り図を見ながら“突破口が見つかったかも知れない”と告げる。
その後、香坂は課長の須藤から、事件のことについての保護者説明会を開くにあたっての打ち合わせのため、今夜富永に会うという話を聞く。
須藤は、自分が留守の間、なにも問題を起こすなと香坂に釘を刺し、部屋を出て行く。
その後、香坂の元にあつまる部下の刑事たち。
香坂は“富永が学園にいない今夜、金崎から話をきけるチャンスだ”と告げる。
渡部に協力を請う
その後、香坂は渡部から、今夜山田を小野田が直々に取調べするという情報を聞く。
渡部は香坂に語る。
“私に隠していることはないですか?山田は小野田の手によって横澤祐一の居場所を吐くかもしれない、その時、私はあなたを逮捕したくない、私にとっての正義はあなただから”
しばらく黙した後、香坂は渡部を自宅につれていき、横澤祐一と引合せ、頭をさげて協力をよびかける。
はじめは躊躇する渡部だったが、“なにをすればいいのでしょうか?”と、香坂の願いを受け入れる。
一方、小野田は一課長室に山田をつれてこさせ、自ら取調べを開始しようとする。
反撃にでる香坂
富永と須藤 保護者説明会の打ち合わせ
須藤は、保護者の安心の確保のため、早明学園周辺に常時警察官を常駐させることを話す。
すこし及び腰な表情になる富永。
富永の携帯にメールが入る。メールを読んだ富永は“あいつめ”と静かに怒る。
金崎理事長を訪ねる香坂
香坂は金崎理事長に直接会いに行く。
“いきなり失礼じゃないですか”と怒る金崎。
小野田の取り調べ
山田は小野田に取り調べをされるも、黙して語らない。
そんな山田に小野田は取引を持ちかける。
“お前が知りたい17年前のこと、お前の父がなにをしたかを私は知っている。”
そして、一課長席の後ろの棚をあけ、そこにある金庫を見せながら
“ここに歴代捜査一課長が苦渋の末に飲み込んできた敗北の極みがあり、歴代捜査一課長からの申し送り事項が入っている、これを見たければ捜査一課長になるしかない、しかし今みたいだろう?であるならば、横澤祐一の居場所と裏帳簿の場所を教えよ”と
山田は泣き面になりながら‘それを教えれば、本当に父が何をしたかをおしえてくれるんですね”と念を押す。
小野田は“この私を信じろ”と山田をみつめながらつぶやく。
金崎に話を聞く香坂
香坂は金崎に、事件当日、ずっとこの部屋にいたのか、犯人はこの部屋近くの廊下を通ったはずだが、物音に気づかなかったかと改めて問う。
そうだ、犯人は別の廊下を通ったのだろうと答える金崎。
その時、大きな物音がして、びっくりする金崎。
香坂は、部下の刑事たちに屋上に上がらせ、鉄骨を落とさせたのだった。
香坂は、事件当時、何も聞こえなかったと言っている金崎の嘘を暴いていき、“本当はどこにいて何をしていたのか、富永は何をしていたのか?あなた達が江口を殺したのだ!”と詰め寄る。
その時、富永が現れ香坂に“帰れ!”と怒る。
“そうさせていただきます”という香坂は、“これから金崎に署で話を聞きたいと思います”と告げる。
富永は“任意の聴取など、小野田が認めるはずがない”と反論する。
香坂は“今回は、小野田一課長の許可は必要ありません、そう言われると思い手をうちました”と告げる。
捜査二課長の松岡(高橋光臣)率いる捜査二課が理事長室に入ってくる。
松岡は裏帳簿のコピーを差し出しながら“これは贈収賄の可能性があり捜査二課の扱う事件、元捜査一課長といえども口出しは控えてください”と富永を牽制し、金崎に同行を求める。
松岡は、金崎が任意同行を拒否するならば、この件はマスコミに流れることになるから、その前に話を聞きたいと詰め寄り、金崎を連行する。
金崎は“なんとかしなさい!富永!”と叫びながら、連行される。
その後、富永は小野田に“なんとかしろ!あのことがバレてしまえば、我々の問題だけでなく、警察全体の問題になるのだ!”と電話で指示をする。
裏帳簿 捜査二課室
松岡は香坂に、金崎を落とすには裏帳簿のコピーだけでは足りず、原本が必要だと告げる。
香坂は、信頼する仲間が今、取りに行っており、まもなく届くだろうと話す。
一方、渡部と横澤は倉庫に行き、裏帳簿の原本が入っている倉庫の鍵を開ける。
松岡は香坂に告げる。
“先にそちらの事件を取り調べてくれ、江口は我々の大事な仲間だった、必ず犯人をあげてくれ”
小野田の魔の手
香坂の携帯に小野田から連絡が入る
“残念だったな、香坂、裏帳簿はそちらに届かず捜査二課の捜査も終わりだ、横澤祐一の居場所もつきとめた”
一方、渡部たちはが裏帳簿原本の最後を運び出そうとした時、捜査一課が現れ、横澤祐一を連行してしまう。
小野田は香坂に“今から俺の部屋にこい”と告げる。
一方山田は、牢の中で頭を抱えている
小野田に呼ばれる香坂 衝撃の事実
小野田は香坂に、山田が何も話さなかったことを告げる。
しかし、いつか香坂のために自分を裏切ってくれることを期待していた渡部の後をつけさせることにより、横澤祐一と裏帳簿のありかを突き止めたと告白。
そして、テーブルの上に置いてある裏帳簿を見せて、金崎もまもなく弁護士がきて釈放され、次は横澤と香坂の取り調べをすると告げる。
“お前の警察官の人生は終わったということだ”と不敵に笑う小野田。
しかし香坂は笑みを浮かべ“このまま終わるわけにはいかないんですよ”と言い、裏帳簿の一つを取り出しながら語り始める。
“裏帳簿の1ページ目の破れた箇所に、あなたの名前があったのでは?
あなたと富永は金崎から賄賂を受取り、癒着関係にあった、その事実がわかればあなたの地位は足元から崩れる、だからあなたたちはこれを必死に守らざるを得なかった、腐った絆だ!
さらにもう一つ、あなたは私の父を裏切ったことを許さない。あなたこそ裏切り者だ、私はあなたのような人間を捜査一課長などとは絶対に認めない!”
小野田は“お前は私が裏切り者だというのか?裏帳簿に私の名前があるというのか?なら教えてやろう!”といい、
裏帳簿の切れ端があるという金庫を香坂に見せ、この中に警察組織がかかえる闇・歴代捜査一課長たちが決死の覚悟で背負ってきた十字架があることを説明し、お前にこれを背負う覚悟があるのかを厳しく問う。
香坂は、顔をしわくしゃにして荒れ狂う心を統べた後、小野田に面と向かい“覚悟ならある!と告げる。
小野田は“よく言った、開けてやる”といい、金庫を開け、裏帳簿の切れ端を香坂に見せる。
“ここに裏切り者の名前が書いてある”
裏帳簿の切れ端をみる香坂。
なんとそこには、香坂の父である“香坂敦史”の名前が記載されていた。
父の名前を見ながら、切れ端を持つ手が震えだす香坂。
小野田は告げる。
“金崎から賄賂を受け取っていたのは私ではなく、お前の父親だ!”
山田の記憶
山田は、幼き日、運転手・松山の死について父の勲が“すべて隠蔽しなさい”と部下に告げている情景を思い出す。
そして、勲が告げていた部下が、香坂の父である敦史であることを思い出す。
……
床に倒れ込み、震えながら動揺する香坂に、小野田は詰め寄り告げる。
“本当の裏切り者は、お前の父親なんだよ”
香坂は、“違う!”と叫びながら、必死に否定しようとする…
第9話 終わり