73約束
・ヴィルフォール邸の庭の塀ごしの、ヴァランティーヌとマクシミリアンの会話。
・マクシミリアンはヴァランティーヌに明日にはフランツが帰ってくることを伝える。
ヴァランティーヌは明日、婚約の誓約書にサインをしなくてはいけなく、それに抵抗したいができない、どうしようもないという思いでいっぱいになる。
マクシミリアンをそれをなじり、しかしどうしようもないことを悟ると、死ぬといってヴァランティーヌを困らせる。
・その思いにヴァランティーヌは、明日、何か奇跡が起こって婚約が延期になることを願いつつ、どうしようもなくなったら、二人で逃げようと提案。その時は夜9時にこの場所に集合して逃げようという約束をする。
・そして次の日の夜9時、マクシミリアンは約束の時間にこの場所にくるも、約束の時間になってもヴァランティーヌが来る様子もなく、それどころか、婚約で賑やかになっているはずのヴィルフォール邸がまっくらなのに不審な思いを抱き、塀を乗り越えヴィルフォール邸の庭に侵入してしまう。
しばらくすると、ヴィルフォールと医者のダヴリニーが現れたので、身を隠し話をきいていると、サンメラン公爵夫人が亡くなったのだが、それは夫が急死した寂しさからではなく、毒物によるものだという医者の言葉を聞く。
ヴィルフォールは驚き、しかしそうであったとしても公式に捜査させることは体面上できないことを伝え、引き続き、だれが犯人かをつきとめてくれるという医者の話を受け入れ、二人は邸宅へ戻る。
・隠れていたマクシミリアンは、ヴァランティーヌが窓をあけてすすり泣いているのを見つけ、いてもたってもいられず、屋敷の中に入り、ヴァランティーヌのいる部屋に入る。
(マクシミリアンは、今までのヴァランティーヌとの会話から、ヴィルフォール邸内の構図がすでにわかっていた)
・ヴァランティーヌの部屋にて、そこにはサンメラン公爵夫人の亡骸がある。ヴァランティーヌとマクシミリアンは話し、そして祖父の所へいって、話を聞こうということになる。
・祖父の部屋にいくマクシミリアンとヴァランティーヌ。
ヴァランティーヌは祖父にマクシミリアンを紹介する。
マクシミリアンは祖父のノワルティエと二人で話がしたいといい、ヴァランティーヌとノワルティエの了承を得て、今までのいきさつを話す。
そして、これからどうするかという計画を2つ――ひとつは二人でかけおちすること、もう一つはフランツに事情を話し、受け入れてくれないのであれば決闘をするというもの、をノワルティエに語る。
しかしノワルティエは2つの計画に反対、婚約の署名はまだ行われないから、じっとまっていないさいと、単なる約束ではなく誓約をマクシミリアンにさせる。
マクシミリアンは了承・誓約をして、部屋を出て、老僕のバロワの助けをえて、塀を乗り越え帰る。
※ドラマにおいては、この章にあるようなシーンはありません。
しかし、婚約が確定されることに嘆いている未蘭に対して、信一郎が「奇跡のパーカー」を渡し、励ましているシーンがありました。そのシーンに転嫁されていると考えられます。
またヴァランティーヌの母方の祖父母に関してですが、後にわかることですがこれは継母であるヴィルフォール夫人が毒殺したものでした。
ドラマにおいては美蘭の母親方の祖父母の存在はいませんが、ただ、亡くなった母については、ドラマを見ていくと、その母を殺したのが、美蘭の元家庭教師だった瑛里奈という設定に変えられています。