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リア王 第4幕 第1場 荒野

●荒野にいるエドガー(グロスター伯爵の嫡子。庶子の弟・エドマンドにはめられ乞食になっている)は、不遇に会いながら“これ以上のどん底はないから”と逆に安心の心持ちになっていたが、そこに両目をつぶされた父・グロスターが現れ、「今がどん底だと言っていられる間はどん底ではない」と、再びうちひしがれる。
悲惨な父の状況を前に、父に正体を明かさずなんとか気が狂ったトムで通しているエドガー。
グロスターからドーバーへ連れて行ってほしいと頼まれ、道案内をすることに。

リア王 第4幕 第2場 アルバニー公の館の前

●アルバニー公の邸宅にエドマンドを伴って戻ったゴネリル(リア王の長女)だが、夫・アルバニーの様子がおかしいと聞きエドマンドと顔を合わせるのは控えたほうがいいということで、色目を使いながらエドマンドを帰す。

アルバニーは妻・ゴネリルの父に対する非道を責め、それに対してゴネリルも夫にやり返す。

●そこに使者が現れ、コーンウォールが召使いから受けた傷が原因で死んだことが知らされる。
アルバニーはさらに、グロスターが両目をえぐり取られたことを聞き、さらにグロスターの息子のエドマンドがそれを手引きしたことを使者から聞き、グロスターのかたきを取ると決意する。

●ゴネリルは使者から妹・リーガンの手紙を受け取り、コーンウォールが死んだことは好都合の可能性がある、しかし、リーガンのもとにエドマンドを置いておいては自分の描いた夢が砕かれる…等々、思案を巡らせている。

リア王 第4幕 第3場 ドーヴァー付近の仏軍陣地

●ケントは使いを頼んでいた紳士(第3幕第1場)から情報を得る。
フランス王が緊急事態で帰国したこと、
フランス王妃になったコーディーリア(リア王の3女)が、ケントから父の悲惨な様子が記された手紙を読んでいる時、涙を流しながら悲嘆にくれていたこと。

●ケントは、連れてきたリア王が自分が追い出したコーディーリアに会いたがらないという様子を紳士に聞かせる。

そして紳士を王に引き合わせようとする。

リア王 第4幕 第4場 ドーヴァー付近の仏軍陣地

●コーディーリア(リア王の3女)は、士官の一人に、父のリア王を探索するよう命じる。
また父の乱れた心を直す方法を侍医に問う。

●そこに、イギリス軍が攻めてきたという報告が入る。
コーディーリアは、今回の戦いが、父を思い父を再び王位につかせるために、泣く泣くフランス王にお願いして起こしたものであることを独白する。

リア王 第4幕 第5場 グロスター伯の居城

●オズワルド(リア王長女・ゴネリルの執事)はリーガン(リア王次女)に、主人・アルバニー(ゴネリルの夫)が出陣したことを報告。
またゴネリル(リア王長女)が書いたエドマンド宛ての手紙の話題になる。

エドマンド(グロスターの庶子。父と兄をはめた悪者)は、かろうじて生きている父・グロスターが自分たちへの恨みを広めているのでとどめを刺しに向かっているところであるという。

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リーガンは、姉・ゴネリルがエドマンドに色目を使っていたことを見抜いており、オズワルドに対して、姉をけん制するよう、また夫・コーンウォールを亡くした自分の形見をエドマンドに渡すよう指示をする。

リア王 第4幕 第6場 ドーヴァー付近の田舎

●両目が見えないグロスターは、百姓姿のトムになりすましている息子のエドガーに頼み、ドーバーの崖の上に立ち、そこから飛び降りて命を絶とうとしている。
(しかしエドガーは父のグロスターを死なせまいと、巧みに崖まできたと言っているだけで、実際にはただの平地を進んでいる)
崖の上に到着したとエドガーに告げられたグロスターは、崖から飛び降りたつもりで地面に倒れ気を失う。
エドガーは気を失ったグロスターに先ほどとは別の人物として声をかけ“あの崖から飛び降りてよく生きていたものだ”と驚嘆した振りをしながら呼び起こす。
グロスターはこの出来事から「これからはどんな苦痛にも耐えて、苦痛みずから“もうだめだ”と叫びを上げて倒れるのを待とう」と言い、勇気を得る。

●そこに気が触れているリア王が登場。
リア王は、ところどころ理性の入り交じった狂気の言葉をグロスターに投げかける。
グロスター、エドガー共に、王のいたわしい姿を見て嘆く。

●そこにさらにコーディーリア(リア王の3女)の命を受けた紳士が侍者を連れて登場。
侍者たちは、逃げるリア王を捕まえるために追う。
エドガーは紳士に、現在のフランス軍の進軍状況を聞く。そして、王のいたわしい姿をみて再び絶望し死にたがっている父・グロスターを静かな場所に連れて行こうとする。

●そこにオズワルド(リア王長女ゴネリルの執事)が現れる。
オズワルドは、賞金首になっているグロスターを殺して一財産を築こうと襲いかかってくる。それを甘んじて受け入れようとするグロスターだったが、エドガーがそれを遮り、オズワルドと抗戦。
そしてエドガーが勝利し、オズワルドは息絶える。

エドガーは、オズワルドの所持品から、ゴネリルがエドマンド宛ての、夫への裏切りを証明する恋文を発見し、ゴネリルの強欲さに怒りあきれ、いずれこの手紙を(ゴネリルの夫)アルバニー公に見せようと考える。

●グロスターはなおも、リア王の気が狂ってしまったこと、自分は正気のまま生きていることに対して悲しみを感じている中、フランス軍の進軍の太鼓の音が聞こえたことにより、エドガーによって安全な場所に連れて行かれようとする。

リア王 第4幕 第7場 フランス軍の陣営

●フランス軍陣営にて、コーディーリア(リア王3女)とケントが会話。
ケントはコーディリアに対して、状況が落ち着くまでは作戦通り、自分のことは知らない振りをしてくれと頼み、承諾される。

●コーディリアは、引き取って寝ている父・リア王を、侍医の助言で起こす。
起きたリア王は、少々混乱しながらも、正気を取り戻し、コーディーリアを見て後悔の心情をはき出す。
侍医から、もう少しそっとしておいたほうがいいと言われ、静かな場所へリア王を移動させる。

●ケントと紳士は、コーンウォールが死に総大将がエドマンドであることを確認しあう。
ケントは自分が命をかけた狙いが当たるかはずれるかが、これから始まる激しい戦いで決まるということを語る。

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