もくじ
リア王 第3幕 第1場 荒野
●王を探すケントは、荒野で王付きの紳士に会い、王が嵐の中、発狂しているかのような振る舞いをしているという話しを聞く。
ケントは紳士に、アルバニー公爵とコーンウォール公爵が密かに争っており、現在の国の乱れに乗じてフランス軍が攻めてくるかもしれないと話した後、財布と指輪を渡し、ドーバーの港にいる人物に会って、王がこのままでは気が狂ってしまうということを伝えてほしいと頼む。
リア王 第3幕 第2場 荒野
●嵐がひどくなってきている荒野の中、ケントは道化師と共にいる被り物をしていないリア王を発見する。
自分に向けられた娘たちの理不尽と思われる仕打ちに対する激しい怒りを、嵐に抗することで紛らわせようとするリア王。
ケントは近くの嵐をしのげそうな掘っ立て小屋にリア王を案内する。
リア王 第3幕 第3場 グロスターの居城の一室
●グロスター伯爵が庶子・エドマンドに、王をかばったがために城をコーンウォールに召し捕られてしまい、今後、王の話しをすることを禁止させられたことを嘆く。
そしてある筋から、このイギリスがすでにフランスに攻められようとしていること、なんとしてもリア王を守らなければならないという決意、この自分の意志をコーンウォール公爵にさとられないよう注意してほしいということをエドマンドに言って聞かせ退出。
父の言葉に素直にうなずいたエドマンドだが、父が退出した後、父の本意をすぐにコーンウォール公爵に知らしめて父を追いやり、その財産を自分のところへ引き寄せることを目論む。
リア王 第3幕 第4場 荒野、掘立小屋の前
●嵐のが続く中、ケントはリア王と道化と共に小屋の中に入る。
リア王は、2人の娘の自分に対する仕打ちに対して恨み言を言い、復讐を考える。
●小屋の中に、気が狂ったように見せかけているエドガー(グロスター伯爵の嫡子。庶子の弟・エドマンドに貶められ乞食になっている)がおり、リア王と会話。
リア王は自分のやり場のない怒りと哀れさををエドガーの哀れな姿に投影させ、エドガーを気に入る。
●そこにグロスター伯爵が現れ、王を城へ連れて帰ろうとする。
グロスターもまた、息子のエドガーが自分を裏切った(と思い込んでいる)ことに対する悲憤を口にする。
グロスターは、王が気が狂ったようにみせているエドガー(息子とは気づいていない)を連れて行きたがっていることに反対するが、ケントの説得で仕方なく承諾する。
リア王 第3幕 第5場 グロスターの居城の一室
●エドマンドはコーンウォールに、父・グロスターがフランスのスパイであるという偽の手紙を見せ告発。
コーンウォールはそれを疑いもなく信じ、裏切り者のグロスターを捕まえる準備をし始め、エドマンドにグロスター伯爵になれることを約束する。
(エドマンドは、これで父・グロスターがリア王を助けていれば疑いはますます深まるだろうとほくそ笑む)
リア王 第3幕 第6場 グロスターの居城の近く、百姓家の一室
●グロスターは、リア王、道化、ケント、エドガーを百姓家の一室に案内して、いったん外にでる。
●リア王は気が触れてしまい、エドガーを裁判長にしたててその場で娘を裁く裁判を始める。
エドガーは、リア王に調子をあわせてながらも、王の心労に同情し、芝居が解けそうになる。
●グロスターが再び現れ、王を含めここにいる者に命の危険が迫っていることを告げ、エドガーを残し、寝てしまった王を担ぎながら、味方がいるというドーバーの港を目指す。
●エドガーは、自分より身分の高いリア王が、自分と同じ境遇で苦しんでいることに同情し、そのことに慰みを得て心が軽くなった、いずれ誤解が解かれて和解されるだろう、と独白。
リア王 第3幕 第7場 グロスターの居城の一室
●コーンウォールは、義兄・アルバニーへの手紙とフランスとの開戦の準備を促す言づてを義姉・ゴネリルに託し、エドマンドを共につけ出立させる。
そこにオズワルド(ゴネリルの執事)が現れ、グロスターと王一行の同行をコーンウォールに報告。
コーンウォールは、グロスターを早く見つけ出すよう召使いたちに命じる。
●召使いたちがグロスターをとらえてくる。
リーガンはグロスターのひげを抜くなど拷問を開始。
さらにコーンウォールはグロスターの片目をえぐり出す。
●その所行を見かね諫めた召使いの1人はコーンウォールに一太刀浴びせるも、
それに怒ったリーガンに殺される。
コーンウォールはさらに、グロスターの残ったもう一つの目もえぐり取る。
●グロスターは、コーンウォールが『すべてはエドマンドが告発してくれた』ということを話したことにより、すべては自分の庶子・エドマンドの奸計であることに初めて気づき後悔し、エドガーの幸福を祈る。
そして外に放り出される。
●コーンウォールは召使いに腕を傷つけられたことにより、リーガンに抱えられながら退場。
●残った召使いは、主人コーンウォールたちの所行に憤りを感じ、グロスターについて行くことにする。