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リア王 第5幕 第1場 ドーヴァーに近きブリテン軍の陣営

●エドマンド(グロスター伯爵の庶子。悪心の持ち主)とリーガン(リア王次女)が会話。
リーガンはエドマンドに対して、自分はエドマンドのために動きたいといい、姉・ゴネリルと親しくならないでほしいと懇願。

●そこに、ゴネリル(リア王長女)・アルバニー公夫妻が登場。
ゴネリルは、妹・リーガンとのエドマンドを取りあう争いに負けるのなら、この戦争は負けてほしいと思う。

一同は、これからのフランス軍との戦いに備えることを約し合う。

●皆が場を離れようとしたところに、変装したエドガー(グロスター伯爵の嫡子。庶子の弟エドマンドに貶められた。正直な心の持ち主)が登場し、アルバニー公に手紙をわたし、勝利のあかつきにラッパを鳴らし呼んでくれれば、その手紙の内容の証拠をたてると約束する。
エドガーは、アルバニー公の“手紙を読むまで待て”という呼びかけにも、“時間がない”という理由で立ち去る変装したエドガー。

●エドマンドが再び現れ、敵軍が近くまで来たので急いで支度をするようアルバニーに告げる。
アルバニーが去った後エドマンドは、ゴネリルとリーガンのどちらを取るか取らないか、損得勘定をして悩みながらも、現在の戦いで利用するだけ利用して、後にアルバニー公をゴネリルに殺させる計画を立てようという考え、さらに自分にとっては自分の無事が第一であるという気持ちを独白する。

リア王 第5幕 第2場 英仏両陣営間の戦場

●変装したエドガーは、父・グロスターを木の陰にかくして戦場におもむく。
しかし、フランス側の敗北が決定すると、父・グロスターを連れて逃げようとする。
その中で、フランス王とコーディーリア王妃も捕虜になったことが語られる。

リア王 第5幕 第3場 ドーヴァーに近きブリテン軍の陣営

●戦いに勝ったイギリス軍のエドマンドは、捕えたリア王とコーディーリアを牢へ入れるよう兵に命令する。

その中でリア王は、コーディーリアからゴネリルとリーガンに会うことを勧められるも固辞する。

エドマンドは、二人が牢へ連れ去られた直後、一人の兵に密命(コーディーリアとリア王を暗殺する)を帯びさせ、一刻も早く実行するように命令する。

●アルバニーとリーガンが登場。
アルバニーはエドマンドに対して、リア王とコーディーリアに対しては適切な処置をするよう話しかける。
それに対してエドマンドは、自分の意見をのべ、そのやり方を押し通そうとする。
アルバニーはエドマンドに対して、自分はおまえの上官のはずであると反駁。

それに対してリーガンが仲介に入り、エドマンドを今後、自分の夫として迎えいれることを公言し、ラッパで皆に知らしめようとする。

それに対してアルバニーは、それを制止して、これからエドマンドを捕らえると宣言し、グロスターにラッパの用意をさせる。
もし、エドマンドの悪逆非道な行いの証を立てる者が現れなければ自分が成敗すると、エドマンドに手袋を投げる。
エドマンドもアルバニーに対して、手袋を投げる。

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リーガンは胸が苦しくなり、その場から連れ去られる。(ゴネリルが毒薬を盛った模様)

●アルバニーは伝令にラッパを鳴らさせながら、変装したエドガーから渡された手紙を読み上げさせる。
そのラッパの音に応じて、鎧を着たエドガーが登場。
エドガーは、エドマンドが謀反人であることを公言し、エドマンドに戦いを挑む。
エドマンドはそれに応じ戦い、そして敗れる。

この戦いに異議を唱えたゴネリルだが、アルバニーがゴネリルの署名の入った手紙を見せられてだんまり、その場から逃げるように退場。
アルバニーは、何をするかわからないからと、妻のゴネリルを士官に追いかけさせる。

●エドガーは、敗れたエドマンドの要望に応じて、自分がおまえの父親の嫡男・エドガーであることを明かし、“おまえが生まれたところの理由の不義の臥所によって父は失明を招いた”と語り、エドマンドもそれに応じて“そしてまた、私のもとに戻ってきた”と返事をする。
さらにエドガーは、アルバニーの“いままでどのように身を隠していたか”という質問にこたえ、父・グロスターの目が見えなくなって以来、ずっと一緒におり、そしてさきほど、父に自分の素性を明かしたのだが、弱っていた父は、喜びと悲しみの感情に体が耐えきれず息絶えたこと、その時に現れ一緒に泣いてくれた男性がリア王から追放されてなお、リア王を慕い付き従っていたケント伯爵であったことが語られる。

●そこに血まみれのナイフをもった紳士が現れ、リーガンが姉のゴネリルによって毒殺され、さらにゴネリルも死亡したことが告げられ、二人の遺体が運び込まれる。

この場になって改心したエドマンドは、自分がリア王とコーディーリアを暗殺するよう指図書を出したことを告げ、命令を取り消すために自分の剣をアルバニーに差し出し、コーディーリアは獄中で絞殺して自ら命を絶ったようにみせかけるよう命じてあることを明かし、急ぐよう告げる。
アルバニーはエドマンドを連れて行かせる。

●そこにコーディーリアの亡骸を抱きかかえたリア王が現れ泣き言を言う。
(コーディーリアを絞殺した兵は殺したことを白状する)
ケントはリア王に、今の今まで変装してずっと付き従ってきたことを明かす。

そこにエドマンドの死が伝えられる。
アルバニーはその話しをさておき、これからリア王に権力をもどさせることを宣言する。
しかしリア王は、コーディーリアが死んだことによる悲しみに引き裂かれ息絶える。

アルバニーはリア王の遺骸を運ぶことを命じ、エドガーとケントに今後の国の再建を共に行ってほしいと頼む。
しかしケントは、自分はこれから旅に出ると告げる。
エドガーは、言って良いことがどうか躊躇しながらも、
“これほど苦しむのであるならば、長生きはしたくない”
というようなことを述べる。

リア王 終

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