もくじ
オセロー 第3幕 第1場 城の前
●キャシオウ(オセローの副官・現在解任されている)が、オセロー(主人公・ヴェニス共和国に仕える黒人貴族)のいる城の前で楽師達に音楽を奏でさせ、オセローのご機嫌を取ろうとしている。
そこにイアーゴウ(オセローの部下・オセローとキャシオウを貶めようと画策実行している)が現れ、待ってたとばかりにキャシオウの願いをかなえるために自分の妻・エミーリアに引き合わせるための準備をするべく、その場から一旦退場。
(キャシオウここで愚かにも、さらにイアーゴウに対する信頼を深める)
その後エミーリア(イアーゴウの妻)が現れ、解任させられたキャシオウに慰めの言葉とそれほど心配することはないと言い聞かせる。
しかしキャシオウは、イアーゴウに入れ知恵されたように、デズデモウナ(オセローの妻)と二人きりで話しをできるようにエミーリアに取り次ぎを願い出て、そして了承される。
オセロー 第3幕 第2場 城内の部屋
●オセローは船頭への手紙をイアーゴウに託し、自分は紳士達と共に、城の周りを散策しに出かけようとする。
オセロー 第3幕 第3場 城内の庭園
●デズデモウナ(オセローの妻)とエミーリア(イアーゴウの妻)、キャシオウ(オセローの副官・現在解任中)の会話。
デズデモウナはキャシオウの復職を夫のオセローにしっかりと言って聞かせるからまかせてほしいと、自分の復職のことを心配しているキャシオウに言って聞かせる。
その中で遠くにオセロー(主人公・ヴェニス共和国に仕える黒人貴族)とイアーゴウ(オセローの旗手)の姿が見えたので、キャシオウはデズデモウナの制止を断り急いでその場を立ち去る。
●デズデモウナの元から去って行ったキャシオウを見て不審に思っているオセローに対してイアーゴウは、わざとあいまいな返事をしながら、オセローのキャシオウに対する不信感を増大させようとする。
デズデモウナはオセローに、今一緒にいたのはキャシオウであったことを正直に話しながらキャシオウの復職を懇願する。
初めはそれをやんわり拒否していたオセローだが、愛するデズデモウナの熱願に根負けしてそれを受け入れる約束をする。
デズデモウナとエミーリアが退場。
●その場にのこったオセローとイアーゴウ。
ここからイアーゴウは巧みにオセローの心を、デズデモウナがキャシオウと不倫をしていると考え疑う方向に操るように持って行き、嫉妬心をあおりにあおる。
そしてこの会話の末、オセローは、デズデモウナに対して強烈に疑心暗鬼になってしまう。
●そこに再びデズデモウナとエミーリアが登場。
デズデモウナは様子がおかしくなったオセローを心配し、オセローからもらった大切なハンカチを差し出すが、疑心暗鬼のオセローはそれをはねのけ床におとし、“放っておけ”といってデズデモウナをつれて客人がいる所へ移動していく。
●その場にのこったエミーリアは、夫・イアーゴウがほしがっていたデズデモウナが肌身離さず手に入れられなかったハンカチを手にいれ、とりあえず喜ぶ。(夫イアーゴウの悪巧みは一切知らない)
そこにイアーゴウが再び現れる。
エミーリアはイアーゴウにデズデモウナのハンカチを気持ちよく渡し、ほしがっていた訳を聞くも、イアーゴウはハンカチをひったくって“おまえには関係ない、必要なんだ”と言って邪険にしてエミーリアをこの場から立ち去らせる。
イアーゴウはこのハンカチをキャシオウが宿泊している宿屋にわざと落として拾わせオセローの嫉妬をさらに燃え上がらせようという計画を独白。
●ここで再びオセローが登場。
オセローはすでにデズデモウナが不倫をしているという疑念に捕らわれ、しかしはっきりとした証拠がないため心が定まらず、心は嫉妬の炎で焼き尽くされ始めている。
そこでイアーゴウに対して、デズデモウナが不倫をしているというはっきりとした証拠を見つけるよう命じる。
イアーゴウはオセローの熱望に押されるかのように、“キャシオウが寝言でデズデモウナのことを言っていた”“オセローがプレゼントしたデズデモウナのハンカチでキャシオウがひげを拭いていた”と嘘を言い、オセローの嫉妬心をさらにあおり激高させる。
嫉妬の激しい怒りに捕らわれたオセローは、イアーゴウにキャシオウの殺害を命じ、自分はこれから妻を殺す方法を考えると宣言し、イアーゴウを副官に任じ退場。
オセロー 第3幕 第4場 城の前
●デズデモウナ(オセローの妻)とエミーリア(イアーゴウの妻)、道化が登場。
デズデモウナは道化にキャシオウ(オセローの副官・現在解任中)をこちらに連れてくるよう頼む。
そして無くしてしまったオセローからもらったハンカチのことを気にする。それに対してエミーリアは知らぬ振りをする(悪気があるわけではない)。
そこにオセロー(主人公・ヴェニス共和国に仕える黒人紳士)が現れる。
デズデモウナはオセローにキャシオウの復職について再び取り次ぎを頼もうとするも、(すでにイアーゴウによって嫉妬に毒されてしまっている)オセローは、デズデモウナに対してしきりに自分が渡したハンカチを出すよう迫るも、デズデモウナもはっきりと“無くした”とは言わず困惑しハンカチを出せずにいる中、オセローは怒りながらその場を離れる。
●そこにイアーゴウ(オセローの部下→副官)とキャシオウ(オセローの副官・現在解任されている)が登場。
キャシオウはデズデモウナに対して再び自分の復職の件をオセローに取り次いでくれと願うも、デズデモウナは、オセローが急に不機嫌になったことから難しくなったと詫びを入れる。
その話しを聞いたイアーゴウは、素知らぬふりをしながら“オセローが怒るとは何かあったに違いないから様子を見に行く”と言ってその場を退場。
●デズデモウナは、オセローが嫉妬心から怒っているとは露も考えず政治のことで不愉快な事があったのだ、自分のオセローに対する心遣いが足りなかったのだと一人嘆く。
それに対してエミーリアは、オセローの怒りが嫉妬から来ているものでないことを祈ると言いながら“嫉妬をする人は理由があるから疑うんじゃない、疑い深いから疑う、嫉妬は自分で生まれて自分で育つ怪物です”と忠告する。
デズデモウナはそのような嫉妬がオセローの心に入らないことを祈りつつ、キャシオウに対しては、オセローが機嫌がいいようならもう一度復職を頼み込んであげることを約束し、エミーリアとともに退場。
●その場に残ったキャシオウの前に、売春婦のビアンカが登場。
ビアンカはキャシオウが数日の間、自分の元に現れなかったのを寂しがる。
キャシオウは自分の部屋に落ちていた、デズデモウナのハンカチをビアンカに渡し、ハンカチの模様を写し取ってほしいと頼む。
ビアンカは、そのハンカチがキャシオウの新しい女からの送りものではないのかと嫉妬するも、キャシオウはそれを否定し、“自分の部屋に落ちていたのだが模様が気に入ったので持ち主に返す前に写しておきたい”と説明をして、これから上司がくるからとりあえずこの場所から引き払ってもらいたいとビアンカに頼み、また会いに行くと約束し、ビアンカもそれを承諾する。