スポンサーリンク

2022年5月

昨年になりますが、いつの間にかできていた

粉瘤(ふんりゅう)

別名「アテローム」「表皮嚢腫」

を摘出するまでの

体験と費用を話していきたいと思います。

結論から言うと、私の場合は

皮膚科ではなく、形成外科に行き

くり抜き法ではなく、

「皮膚、皮下腫瘍摘出術」で取りました!

粉瘤って何?

これを読んでいる方のほとんどは

粉瘤についてはご存知だと思いますが、

まずは自分なりに簡単に説明したいと思います。


粉瘤は、体のあらゆるところにできる可能性がある

見た目は「蚊に刺され」や「コブ」のような

ぷくっと皮膚が膨らみ

大体においてその真中に「黒い点」のような物があります。

(放置すると、少しずつ大きくなっていくのかは

 すいません、わかりませんが

 それは状況によるかもしれません。

 私の場合は蚊に刺され程度の大きさで、
 

 触るとしこりのような感触がありました。

 知り合いは、蚊に刺されよりもっと大きく
 
 直径3センチほどになっている人もいます)

 粉瘤を少し押し出してみると

 真ん中の黒いポッチの穴から
 
 液体みたいなのが出てくるのですが

 それが、かなり臭い

(くさいとんこつラーメンのようなニオイ?)

私も最初、「脂肪の塊なの?」と思っていましたが

脂肪ではなく、

本来、皮膚の表面に出てくる垢が

皮膚の内側にできてしまった袋状のものに

すこしずつ溜まってしまったものらしいです。


この粉瘤、普段は放置しても、

人に見えない場所にあるのであれば

特に悪さをすることもなく、何の問題もない、

“ちょっと気になる”程度なのですが、

何らかの原因で粉瘤を圧迫しすぎると、

内部の袋が破れて中の液体が

皮膚内部に侵入して

皮膚がとんでもない炎症を起こし、

かなり大きなおできになってしまい、

かなり大変なことになることがあるのです。


実は、私の父がそうでした。


ここからはしばらく、粉瘤が破裂して大変だった父の話です

20年以上放置していた粉瘤が破裂!?(写真あり)

父も肩の後ろあたりに粉瘤があり

20年か30年くらい放置していまして、

特に何の問題もなかったのですが

2年ほど前のある時、突然腫れて、

いわゆるおでき状になっており

(長径3センチ位?)

発熱もあり大変な状態になってしまいました。

(その時の写真のリンクです。

 グロテスクなので、閲覧注意です。

 見たい方はこちらをクリックしてください)

父のこの粉瘤による炎症?を治療するのは大変でした。

介護生活をしていて外に出ることができなかったので

普段父の訪問診療に来てくれる内科の先生もいるのですが

皮膚科ではなく、この粉瘤に対しては正直なんの役にも立たなかったので

なんとか近場の皮膚科で

往診(訪問診療)をしてくれる病院を探し当てたのですが

これがまた昔ながらの先生でして

訪問診療ということもあり

設備も限られるということが

あったとは思うのですが

力技でゴリ押しな治療でした。

麻酔をすることなく、この粉瘤の膿を

小さいハサミのようなもので切開して

中の膿を出していき消毒するという治療を

日をまたいで繰り返し行うものでした。

これが一回で終わらず、

膿を出しては抗菌薬を塗ったカーゼをかぶせ、

抗生物質を出され、毎日飲ませること

先生が来ない間は、

1日1回、私達家族でカーゼ交換等をしなければなりません


途中、中の粉瘤の袋(これを取らないと粉瘤が再発するということです)

を取っていく作業をするのですが(先生が)

破裂してしまい、袋がちらばってしまっているので

この状態になると完全に取ることは難しいみたいです。

それでも治療を続け、

途中から、先生の指示で

1日1回、黄色い消毒液に浸した丸いカーゼを

傷口のなかに突っ込んでいく取替作業も家族でしたりと、

一応腫れがおさまり、落ち着くまで

往診を始めてから1ヶ月半かかりました。

炎症もおさまり、とりあえず落ち着きましたが

膿んでいたところは陥没して

しかもやはり粉瘤の袋のカスがのこっているようで

再び膨らんでいる状態もあります。

(一応写真です。閲覧注意)

まあとりあえず、今のところこれで問題がないのですが

再発する可能性はあるということを先生に言われ

2年経過したところです。

↑↑↑↑

と、父の粉瘤を放置した結果大変なことになったことを記しましたが

こうなってしまうと、

見た目の予後も非常に悪いです。

まあ、私の父はもう年ですし

昔の男性でもあるので、気にはしませんが

女性なら気になる方は多いのではないかと思います。

私も、父のようになるのが怖かったので

10年ほど放置していた粉瘤を取ることを決意しました。

(私の粉瘤は右の脇腹・腰あたりにできていました)

粉瘤の治療は何科でやるのがいい?

それでは、粉瘤はどこの科で治療するのがいいのか?

父の介護の関係で訪問にくる数人の看護師の中で

粉瘤の治療現場の経験がある人がいて

その人から聞いた話では、

「皮膚科よりも形成外科がいい」

ということでした。

確かに、知り合いでも、粉瘤ができて

皮膚科にいったが、中の液体を抜いただけで

時間経過でまた膨らんできたという話を聞いていましたし

自分でネットで調べた中でも

粉瘤を取り除く治療で

「くり抜き法」という方法は、

皮膚科でも行っているところもあるということでしたが

くり抜き法は、粉瘤の大きさ等によっては

できない方法でもあるようだったので

自分としての総合的な判断で

(特に、現場経験のある看護師さんの話を信じてて)

形成外科で受診することに決めました。

治療は全部で4日、通院しました。

粉瘤治療1日目(診察・手術同意書・血液採取)

私が選んだ形成外科は比較的近場の

開院して2年以内の比較的新しい

30代半ばくらいの若い先生が医院長の個人病院でした。

基本、予約優先の病院だったので、

電話で予約して受診

先生に粉瘤の話をしたあと、

先生はすぐさま、ポータブルエコーの器具を出して
(さすがに新しい病院で、
 最新?と思われる治療機材がそろっている感じでした)

私の右腰の粉瘤を確認

改めて、粉瘤で間違いないでしょうと言われ

この粉瘤を取るということでいいですね?ということで

さっそく手術の説明をうけ、同意書にサインをしました。

それから、別室に行き採血。

感染症の有無を確認する検査で

B型肝炎、C型肝炎、梅毒の検査だったみたいです

採血後、看護師さんから手術前の注意事項の紙を渡され

説明を受けました。

1日目の診察代・治療費は

保険適用3割負担で

ちょうど3000円でした。

次回はさっそく粉瘤を取り出す手術ということで

1週間後に予約をとりました。

粉瘤治療2回目(摘出手術・縫合)

予約の時間に病院に入り、受付して2分くらいで

処置室に案内され、椅子に座り座席をさげられ

横になって、先生の予約患者の診察が終わるのを待ちました

先生が入ってきて、まずマーカーみたいなもので

私の右腰あたりにある粉瘤の場所に印をつけて

デジタルカメラで写真をとり、

横になっている私に、

粉瘤の場所にマーカーをつけた画像を見せてくれました

その後、粉瘤の円形にそって麻酔を何箇所か打ち込んでいきました。

最初、注射針にチクッと反応してしまい

ピクっと体を震えさせてしまい

先生も少し驚かれました。

すぐに麻酔が効いてきて

先生が粉瘤を取り出す手術を進めていきましたが

場所が右腰なので私からは見えませんので

じっと待っている感じです。

先生は「痛みを感じたら、我慢せず言ってください」

と言ってくれ、また時折

スポンサーリンク

先生が「今、痛くないですか」と声をかけてくれる場面もありましたが、

摘出手術中に痛みを感じることはありませんでした。

粉瘤を取り出したあと、

次は切開した傷口を縫う治療に入ったと思うのですが

先生が「パチパチしますよ」と言ってきました。

先生が何か機械をつかい、

パチパチと傷口を縫っていっている感じでしたが

途中、そのパチパチが痛いと感じたところがあり

つい「痛っ!」と声を上げてしまったら

先生が麻酔を追加で打った感じがありました。

手術時間は全部で10分から15分の間くらいだったと思います。

治療が終わり、先生が改めて手術後の

患部の写真をとって、手術前の写真と比べる形で

画像を見せてくれました。

それから、患部にカーゼと大きなテープを貼ってもらいました。

横たわっていた椅子をゆっくり上げられました。

切除して取り出した粉瘤を見せてくれました

思ったよりでかい!

自分ではせいぜいパチンコ玉くらい(長径1cmほど)
だと勝手に思っていたのですが

ピンポン玉(長径約3cm大)までは大きくなく

それぞれの中間の長径2cmほどでした。

「そんな大きかったんですか?」と私は驚きましたが

先生は「まあ、こんなもんです」と冷静でした。

生理検査に出すということで

溶液の入った小さいビンに取り出された粉瘤が入れられました。

ここからは術後の説明がされました。

・患部をかぶせたカーゼは24時間はあけないこと

・24時間後から抜糸まで毎日

 患部を軽くボディソープなどで撫でるように洗

 シャワーで流し

 それからこれから処方するステロイドの塗り薬を塗って

 大きめの絆創膏等でかぶせて貼り付ける

 これを毎日やる

・同時に処方する抗生物質を3日間飲み終えること

・痛みがでたら、同時に処方する痛み止めを飲む
 
 痛みが出る前に飲まない方が良い

・次回の抜糸だが、生理検査が1週間では届かないかもしれないので

 それより後で、2週間は空けない日程を受付で予約するように

という説明がなされました。

その他、他に聞いておきたいことを言われたので

「もし、傷口が開いてしまったら
 
 タオル等で抑えるということでいいですか?」

と聞くと

先生はご自身の手術の腕に対する自信からくる不満からか、少し苦笑いするように

「まあ、中縫いもしているから、めったに開くことはないが

 もし開いたら、タオル等で圧迫してもらい

 止血して、連絡をくれれば」

 という話でした。

先生の説明が終わり、先生が処置室から退出して

その後、看護師さんからも改めて

術後の注意書きの紙を渡してくれ

今先生が話してくれた内容の話の重ねながら

・抜糸まで風呂・プールに入らない、運動をしない

・とにかく安静にする

といった説明を重ねてしてくれました。

手術・説明が終わり、受付に行き会計

今日は手術があったので

治療2回目(手術)の治療費は

保険適用3割負担で7270円でした。

次回10日後の予約を取りました。

明細書を見ると、手術名は

「皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満)」

となっていました。

ここで術後の縫ったあとの写真を出してみたいと思います。

見たい方は、クリックしてみてください。

皮膚、皮下腫瘍摘出術(露出部以外)(長径3cm未満)の術後の患部の写真

手術当日の夜、麻酔が切れてもそんなに痛みは感じませんでした。

ただ、患部あたりに熱を感じるということはありました。

また、寝るときですが、患部を下にして圧迫してしまうと

流石に痛みは感じますねw

ただ、強い痛みではなく

「あ、痛っ」という程度の軽い痛みです。

なので、基本、患部を下にして圧迫しないように

工夫をして寝ました。

粉瘤治療3回目(抜糸)

術後10日後に、3回目の診察・抜糸に行きました。

診察が始まると、先生が小さいハサミのようなものを出して

患部の糸をちょきちょき切っていく感じで

切られる様子は自分からは見えませんでしたが

あっという間に終わりました。

抜糸後の患部に、大きめのサージカルテープを貼られ

注意が伝えられました。

・あと1週間くらいは、完全に傷口がふさがらないので
 
 一応注意すること

・患部のサージカルテープは3日に1回、貼り替えること

 これには、医療用のサージカルテープ

 3Mの「マイクロポア」という商品名の

 幅が太いタイプのテープを提案され

 院内でも250円ほどで買えるということだったので

 帰りに受付で購入しました。

 そしてさらに

 患部の手術痕は半年は消えないこと

 その間に刺激などが多いと痕が残ってしまいやすいので

 3日に1回のサージカルテープを貼る作業を

 3ヶ月から半年は続けたほうがいい

 そうでないと、あとで手術痕を消したいといっても大変な作業になる

 ということを注意書きの紙を渡されるとともに言われました。

・最後に1ヶ月後、

 粉瘤の再発等がないかなどを診るため来院してもらいたい

 そこで何も問題がなければ終了とのことでした。

 そして、ここで、手術前の感染症検査問題なし

 粉瘤の生検も問題ないということを告げられました

3回目の診察代は

保険適用3割負担で780円でした。

粉瘤治療4回目(状態観察・終了)

約1ヶ月後、再び診察に行き

サージカルテープを剥がされ患部の様子を見せました

特に問題ないということでこれでようやく

粉瘤の治療が終わりました。

先生からは、重ねて、

患部にサージカルテープを貼っていく作業を

続けていったほうがいいことを告げられました。

4回目の診察代は3割負担で380円でした。

粉瘤摘出手術・治療のまとめ

先生から再三いわれった手術跡にサージカルテープを貼る作業ですが

見えない場所でもあり、

手術痕が残っても私自身が気にならなかったので

その後、テープを貼るのが面倒だったので

貼りませんでした。

そのせいかどうかわかりませんが

約1年たった今も、

やはりうっすらと手術痕は残っている感じです

粉瘤摘出術後、約1年後の手術痕の写真

自分としては気にしていないので良いのですが、

もしこれから粉瘤・アテローム摘出手術を受ける方で

手術痕を残したくない方は

やはり、今回私が先生に言われたことを

面倒でもやったほうがいいと思います。

粉瘤摘出手術の治療費合計と医療保険請求

今回、新しい設備が整っている(と思われる)

形成外科で粉瘤の摘出手術にかかった治療費は

計4日間・保険適用3割負担で11430円でした。

加えて

医療保険に加入しており、手術給付金の契約がある人は

この粉瘤の摘出で保険金請求ができるケースが多いと思います。

私の場合、手術給付金が1回の手術で10万円給付される契約で

ただ、日帰り手術ということで減額され

本来の手術給付金の4分の1の額の2万5千円が給付されました。

なので、今回の粉瘤手術で

かかった医療費より1万円以上余計に戻ってくる結果になりました。

まあ、私の場合

年間10万円近くの医療保険を支払っているので

見方によっては、得をしているとは言えないという

意見もあると思いますが(笑)

ただ、医療保険も

別に、粉瘤の手術のために入っているわけではないので

そう考えると、

今回の粉瘤手術をしたことにより

実質、得をしたと考えることができます!

医療保険に関しては、契約内容によって変わってきますが

粉瘤がある人で、医療保険に加入している人は

ついでにお金も多く戻ってくる可能性があるので

粉瘤を放置して痛い目をみるリスクにも備えて、

取り除く決断をしたほうがいいのではないか、思います。

長くなりましたが、

粉瘤がある方の参考になれば幸いです。

2023年5月

スポンサーリンク