スポンサーリンク

ハムレット 第1幕 第1場 エルシノア城壁の上の通路

●(デンマークの)城壁上の通路にて、真夜中、見張り番の場所に、将校のバナード、マーセラス、そしてハムレットの友人・ホレーシオが集合。

●バナードとマーセラスはホレーシオに対して、夜の見張り時に今まで2回も見たという、亡くなった先王(ハムレットの父であり、現王の兄)にそっくりの亡霊の話をする。
はじめは信じないホレーシオだったが、この時にその亡霊が姿を現す。声をかけても反応はない。

●先王は、ノルウェー王を一騎打ちにて討ち取り、領土を拡大したのであるが、ノルウェー王の息子・フォーティンブラスがその領土奪還のため準備をしているということで、現在、兵が働きづめになっている現状が、ホレーシオによって語られ、この亡霊がでているということはこの国に悪いことが起こる前兆ではないかと心配する。

●再び亡霊が登場するが、鶏が鳴く声とともに消え、日が登り始める。

●ホレーシオは、この亡霊の話を王子のハムレットにしようと持ちかけ、皆の同意を得る。

ハムレット 第1幕 第2場 城内の大広間

●デンマーク王のクローディアスは臣下たちに向かって、兄であった先王の妻(つまり義姉)を妻として(つまり王妃として)迎えたことを告知する。

そして、先王が約定によって獲得した領土の奪還を狙っているノルウェーの先王の息子・フォーティンブラスの対策として、その叔父で現ノルウェー王に対する親書を臣下であるコーネリアスとヴォルティマンドに託し、出発させる。
その後、内大臣ポローニアスの息子・レアティーズの“フランスに行きたい”という願いを聞き、許可する。

●さらに、先王の息子で甥であるハムレットに対して、“大学に戻りたいということには反対だ、自分を父と思って元気になってほしい、と念願。
ハムレットの母である王妃も息子に対して、ここに留まるように念を押す。
ハムレットは、形だけの返事をする。

●ハムレットは心の中で生きることのつらさを感じ、また父が死んでから二月としないうちに立派な父とは似ても似つかぬ叔父の后になった母・ガートルードの心の弱さを嘆く。

●そこにホレーシオ、マーセラス、バナードが登場。
3人はハムレットに、城壁の上で甲冑姿の亡くなった先王の姿を見たということを報告。

ハムレットは、自分も夜にその姿を見に行くと約束する。

スポンサーリンク

ハムレット 第1幕 第3場 ポローニアス邸の一室

●フランスに出発前のレアティーズ(内大臣ポローニアスの息子)は妹のオフィーリアに対して、ハムレットのおまえに対する恋心は気まぐれでありすぐ冷めるから、間違っても身を捧げてはいけない、気をつけるようにと忠告をする。

●レアティーズが出発後、今度は父であるポローニアスが娘のオフィーリアに向かって、ハムレット様の甘い言葉には気をつけろ、みだりに話してはいけない、操をしっかり守るように重ねて忠告する。

※兄が妹を、父が娘の心配して忠告する台詞が秀逸だと思います。
たしかに男は女に対して“愛している”と言いながら、その実は、ただ単に生殖行為がしたいだけということは多々あります。それが男の本質の一つであり、生殖本能であることを、この兄と父に語らせていますね。

もちろん、生殖本能を越えて、本当に“愛”と言える感情を持ち合わせることもあります。しかし、男というものは得てして、そいういうものだということを語らせているのです。これは時代を越えて、変わらない真理の一つだと思います。

だからこそ、数百年たっても未だに読まれ続けるのですね、シェークスピアの劇は!

ハムレット 第1幕 第4場 城の胸壁

●ハムレットは夜中、ホレーシオとマーセラスとともに胸壁の上にたち亡霊を待つ。
遠くから城内で乱痴気騒ぎな宴会の音を聞いたハムレットは、“いくら素晴らしいものがたくさんあったとしても、たった一つの欠点で不名誉を招く”とその騒ぎを非難する。

●そこに先王の姿をした甲冑姿の亡霊が登場。手招きされたハムレットは、ホレーシオたちの制止をふりきって、亡霊について行く。

ホレーシオたちも、ハムレットの身を案じ、追いかける。

ハムレット 第1幕 第5場 胸壁の別の場所

●ハムレットは追いかけた父の亡霊から、父を殺したのが叔父で現王のクローディアスであることを聞き、復讐を誓う。その際、亡霊から、事にあたって理性を失わず、母に関しては危害を加えず天にまかせるように忠告する。

●その後、追ってきたホレーシオとマーセラスに対しては、今夜見聞きしたことを公言しないことを誓わせ、さらに、今後自分がわざとおかしな行動をとることになっても、自分のことに関して知っているそぶりを他人にみせないことを誓わせる。

スポンサーリンク