もくじ
ハムレット 第3幕 第1場 城内の一室
●国王クローディアスと王妃ガートルードは、臣下のローゼンクランツとギルデンスターンからハムレットについての報告を受ける。ハムレットは狂気を装う真相を問い詰められると狂気にこと寄せて話をそらさせるという。
また今夜、演劇の観劇にくるようにとのハムレットの伝言が報告される。
●王はハムレットに偶然を装いオフィーリアを鉢合わせ、ハムレットの様子を隠れて見るという計画を実行するため、王妃をさがらせ、ポローニアスとオフォーリアにも準備をさせる。
すでに王に呼ばれていたハムレットが来たところで、王とポローニアスは隠れる。
●ハムレットは、「このまま復讐を続けるか、やめて屈辱に耐えるか、それが問題だ」と独白しながら登場し、すでにその場にいたオフォーリアに声をかける。
ハムレットは、今までオフィーリアに贈った贈り物を返されるも、その受け取りを拒否し、「もともとおまえを愛してはいなかった」といい、尼寺へいくことをオフィーリアに勧めて立ち去る。
オフィーリアはハムレットの変わりようを嘆く。
●ハムレットの様子を隠れて見聞きしていた国王クローディアスは、ハムレットの狂乱の原因が恋煩いではなく他にあるとみて、何か危ないことが勃発する前に先手を打つということで、口実をつけてハムレットをイギリスに送るという案をポローニアスに語る。
それに対してポローニアスは、ハムレットの狂気の原因はやはりオフォーリアへの恋煩いだという意見を変えず、しかし、ハムレットのイギリス送りについては今夜の演劇の後に母たる王妃と二人で話をさせ、その話を隠れて聞き出し、その話の内容を聞いて決めた方が良いのではないかと進言。
王はポローニアスの進言を承諾する。
ハムレット 第3幕 第2場 城内の広場
●ハムレットは役者たちに、大げさに演技をせず、だからといって控えめにやりすぎず適切に演技をするように指導をしながら、演劇論を語る。
その後、ポローニアス、ローゼンクランツ、ギルデンスターンが登場。
ハムレットは、王と王妃も今夜の演劇を観劇することをポローニアスに確認。
●ホレーシオ(ハムレットの友人)が登場。ハムレットはホレーシオを心の友として称える。
そして、今夜の演劇にて叔父がどのような反応をするかを確認してほしいと頼む。
もし叔父が何の反応も示さなければ、あの亡霊は悪魔であり自分の今の行動は意味をなさないことになると語り、芝居が終わり次第二人で話し合い判断を下すことにすると告げる。
●演劇が始まる直前、ハムレットは国王クローディアスや母であり王妃のガートルードの声かけにもとんちんかんな返答しかしない。
そしてオフォーリアに膝枕してくれるよう頼み受け入れられる。
●演劇が開始。手始めに演劇の筋書きとして、王を毒殺し王妃に求愛し受け入れられる黙劇が演じられる。
その後、劇中の王妃が劇中の王に向かって、王がいなくなっても絶対に再婚はしないという決意を語り、王もその言葉は絶対に覆るだろうと王妃の決意を疑いつつも、王妃の決意を聞き届ける場面が上演される。
その後、ハムレットは母に感想を聞くも、すげない返事をされる。
国王から演劇のテーマを聞かれたハムレットは、ウィーンで実際にあった人殺しのひどい話が元になっていると言い、清廉潔白である我々には何の問題もないと答える。
その後、劇中にて眠っている王であるゴンザーゴーに、甥のルーシエーナスが毒を盛るシーンが上演されると、国王クローディアスは席を立ち、ポローニアスは芝居をやめろと叫び、ハムレットとホレーシオ以外は皆退席する。
●ハムレットはホレーシオと、演劇を見た国王のクローディアスの様子が明らかにおかしかったことを確認し合う。
その後、ギルデンスターンとローゼンクランツが登場し、国王が機嫌を損ね閉じこもっていること、王妃がハムレットに会いたがっていることを報告し、ハムレットの真意を聞き出そうとする。
しかしハムレットは、二人の質問にはまじめに答えず、困らせる。
そこにポローニアスが登場し、王妃が今すぐハムレットに会いたがっていることを告げる。ハムレットはおかしな返答をしつつも、母に会いに行くことを了承する。
一人になったハムレットは、薄暗くなった今こそ、昼にはできなかった非道な行いもできると独白しつつも、母に対しては口で責めるだけで絶対に殺してはいけないと自制する。
ハムレット 第3幕 第3場 城内の一室
●国王クローディアスは臣下のローゼンクランツとギルデンスターンに、(甥の)ハムレットの顔は二度と見たくなく、このまま野放しにするのは危険だからイギリス送りにすることを決めたので同行してほしいと頼む。
その後ポローニアスが、ハムレットが王妃の元に行くことを報告し、自分は二人の会話を隠れて盗み聞きするので、後ほど内容を聞かせにくるということを告げて退出する。
クローディアスは、血で塗られた自分の兄弟殺しの罪を感じ、この罪の意識をどうにか解消する方法はないかもがき苦しむ。
●ハムレットは、国王が祈りを捧げている今、殺してしまい復讐を遂げることも考えたが、贖罪を祈っている者を殺しても復讐にならないと考え、国王を殺すことは先延ばしし、母の元へ急ぐ。
ハムレット 第3幕 第4場 城内の一室
●王妃ガートルードの部屋にて、ポローニアスは王妃にハムレットをしっかり叱りつけるよう言い含め隠れる。
そしてハムレットが王妃の部屋の中に入り母である王妃と会話しはじめるのだが、ハムレットは王妃の問いかけにやり返す形でまともに返事をしない。
身の危険を感じた王妃の助けを呼ぶ声により、隠れていたポローニアスが姿を現そうとするも、ハムレットの剣によって殺されてしまう。(ポローニアス死亡)
ハムレットは母である王妃の不貞と先王殺しの現国王を批判する言葉を王妃に浴びせる。
●そこに先王の亡霊が登場しハムレットと会話をする。
しかし王妃には亡霊は見えず、ハムレットに対して狂気にとりつかれた者だと叫ぶ。
しかしハムレットは自分は正気であることを訴え、国王の寝室に行くなといいつつも、やはり国王に自分(ハムレット)は気が狂ったように見せかけているということを王に報告するよう訴える。
しかし母である王妃は、王に真実は告げないと答える。
そしてハムレットはイギリス行きの話について、自分の監視役の二人を出し抜いて見せると告白し、ポローニアスの亡骸を引きずりながら部屋を出て行く。
※ここでもハムレットの先夫を亡くして間もないのに現国王と結婚したその心の移ろいやすさに対する憎しみや批判が表現されていますが、やはりこの感情も、時代を越えて、我々も感じる可能性のある感情であるでしょう。